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セブ島の観光再開と治安リスク:現地在住者が実践するトラブル回避の原則

読了の目安: 約 6 分

こんにちは、Lenz 代表・神守です。
2022年以降、フィリピン、日本ともに国境が段階的に開き始めました。
長らく制限されていた海外渡航や観光の再開に向けて、セブ島への訪問を計画している方も増えているのではないでしょうか。

私はこのセブ島に居住して約3年になりますが、現地での生活は日本の「平和ボケ」した感覚のままでは通用しない局面が多々あります。大きな凶悪犯罪に巻き込まれるケースは稀であるものの、スリや置き引き、あるいは文化・インフラの違いによるトラブルは日常的に発生しています。

今回は、セブ島を訪れる方や、これから渡航を考えている方が直面しやすい現実的なリスクと、それを合理的に回避するためのポイントを淡々と共有します。

インフラの違いによる軽微なトラブル:トイレ事情とバケツの文化

セブ島に到着して多くの日本人が最初に戸惑うのは、治安以前の「インフラ」の違いです。特に顕著なのがトイレ事情です。

現地の商業施設やレストランでは、以下のような状況が一般的です。

  • トイレにトイレットペーパーが常備されていない
  • 水洗のレバーが壊れており、水が流れない
  • そもそも便座が設置されていない

水が流れないトイレの場合、大抵は個室内や手洗い場の近くに大きなバケツと手桶(プラスチック製の柄杓)が用意されています。バケツの水を手桶で2〜3杯汲み、便器に勢いよく流し込むことで排泄物を流すのが現地の標準的なやり方です。そういう文化・仕組みであると理解しておく必要があります。

また、便座が外されているトイレが多い理由にもフィリピンならでは。
不潔な便座に直接座ることを嫌う現地の人々は、靴を履いたまま便器の縁にしゃがんで用を足すことが多く、その重みでプラスチックの便座が割れてしまうため、最初から取り外されているケースが珍しくありません。

渡航の際は、ポケットティッシュや携帯用の消毒液を常にバッグに入れて行動するなどして、不必要なストレスを回避しましょう。

日常的な防犯:スマートフォンの扱いとスリの常套手段

スマートフォンの扱いとスリの常套手段

セブ島の治安自体は、過度に恐れる必要はありませんが、日本と同じ感覚で貴重品を扱うと、高い確率でスリや置き引きの標的になります。特に狙われやすいのがスマートフォン(iPhone等)です。

日本人はよく、カフェのテーブルの上にスマホを置いたまま離席したり、ズボンの後ろポケットにスマホを差し込んだ状態で街を歩いたりしますが、これは現地では「盗んでください」と言っているようなものです。

1. ポケットの危険性

ズボンの後ろポケットはもちろん、上着のポケットであっても、歩行中の混雑やジプニー(現地乗合バス)への乗車時に一瞬の隙を突かれて抜き取られます。貴重品は必ずチャックの閉まるバッグに入れ、そのバッグは常に身体の前面で保持するのが鉄則です。

2. ストリートチルドレン

街中、特にダウンタウン(コロンストリート周辺)のエリアなどでは、小さな子どもたちが数人で近づいてくることがあります。服を引っ張ってきたり、物を売るフリをして視界を遮ったりするのが彼らのやり方です。

このとき、一人が注意を引いている間にもう一人がポケットやバッグから財布を抜き取る、というのがよくある集団スリの手口です。子どもだからと油断せず、近づいてきた段階でハッキリと断って距離を取るか、その場をすぐに立ち去るようにしてください。

彼らはよくお金を求めてきますが、実はフィリピンでは、ストリートチルドレンにお金を与えること自体が法律で禁止されています。

実際にこれで外国人が捕まったという話はあまり聞きませんが、ここは日本ではなく海外です。ちょっとしたルール違反が、思わぬ大きなトラブルに繋がる可能性はゼロではありません。現地のルールには、些細なことでもきちんと従うのが一番安全です。

交通機関の選択:安全性を最優先した移動手段の最適解

交通機関の選択:安全性を最優先した移動手段の最適解

観光やビジネスでの移動時において、どの交通機関を選択するかは安全管理上、極めて重要な意思決定です。

現地にはジプニー(乗合バス)やトライシクル(三輪バイク)といった安価な移動手段があり、現地の雰囲気を味わうには良いかもしれませんが、不慣れな渡航者にはおすすめしません。狭い車内で密着するためスリの被害に遭いやすく、ルートの把握も困難だからです。

配車アプリ(Grab / Green SM)の利用

セブ島での移動は、可能な限り配車アプリ「Grab(グラブ)」や「Green SM」で車を手配することを推奨します。事前に目的地までの料金が確定するため、ボッタクリの心配がなく、ドライバーの身元や走行ルートがアプリ上に記録されるため、トラブルの抑止力として極めて強力です。

Grab と Green SM の違いは Green SM の方がEVのため料金が安いです。ただし、長距離はバッテリー切れを起こしやすいのでブックできないこともあります。

Grab Green SM

通常の白色タクシー(メーター厳守)

Grabが捕まらない場合は一般のタクシーを利用しますが、乗車時に必ず「メーターを使ってくれ(Please use the meter)」と確認してください。観光再開に伴い、メーターを使わずに不当な一律料金を要求してくるドライバーがいることがあります。

私の肌感だと、マニラの流しのタクシーにその傾向が多い気がします。

終わりに:安全は「少し気をつける」を積み重ね

セブ島でのトラブルの多くは、凶悪な犯罪ではなく、知識不足や油断による「防げたはずの軽犯罪」です。

現地の文化やインフラの特性を正しく理解し、バックの持ち方を変える、配車アプリを利用するといった、少し気をつけるだけで、遭遇するリスクを回避できます。

フィリピンの治安を過度に怖がる必要はありません。
ただ、日本とは違うことを十分に理解すること。あとは行動が伴えば、セブ島での生活や滞在は快適になるはずです。